供給の現状
我が国で使われているLPガスの約75%は海外からの輸入したもので、残りの約25%は原油精製時及び化学製品の生産時に発生する国内生産分です。輸入もしくは生産されたLPガスは、一次基地から内航船及びタンクローリーによって二次基地まで運ばれ、さらに家庭用は充てん所にてボンベ容器に詰め替えられて、各需要家へ運搬されます。
輸入元の構成は、従来よりサウジアラビアやカタール等の中東地域にその多くを依存していましたが、2012年頃以降はアメリカ産のシェール随伴LPガスの輸入比率が大幅に増加しており、現在では同国が我が国最大のLPガス輸入元となっています。
更に近年では、オーストラリアやカナダの新規天然ガスプロジェクトに伴うLPガスの増産体制が確立され、調達先の多様化が進捗し、更なる安定供給が図られています。
備蓄体制
現在、法律によって備蓄が義務づけられているエネルギーは、石油とLPガスの二種類だけです(天然ガスには備蓄義務がありません)。 このうち、民間企業が備蓄しているものを「民間備蓄(法定備蓄)」、国家が備蓄しているものを「国家備蓄」と言います。LPガスの場合、輸入量の40日分(約109万トン)が民間備蓄として義務づけられています。これと国家備蓄とを合わせると、全体で約249万トン※のLPガスが備蓄されていることになります。
国家と民間の備蓄量
LPガスの供給システム
一般家庭などの比較的小口の消費者に対するLPガス供給システムには、個別供給システムと導管供給システムがあります。導管供給システムはさらに、法律上の区別により小規模導管供給システムと簡易ガス供給システムに分けられます。
最近では、より安定した供給を実現することはもちろん、配送の合理化、保安の高度化、美観の向上など多くのメリットがあるバルク供給も普及しています。
バルク貯槽(よこ型)
バルクローリとバルク貯槽(たて型)