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災害対応型LPガスバルク供給システム

「災害対応型LPガスバルク供給システム」とは?

「災害対応型LPガスバルク供給システム(以下「災害対応バルク」と略)」とは、LPガスのバルク貯槽と、供給設備(ガスメーター、ガスホース、圧力調整器など)・消費設備(煮炊き釜、コンロ、暖房機器、発電機など)をセットにしたもので、地震や津波など大規模災害により電気や都市ガス等のライフラインが寸断された状況においても、LPガスによるエネルギー供給を安全かつ迅速に行うことを目的として開発されたシステムです。

バルク貯槽ユニット

設置事例

バルク貯槽ユニットの概要

バルク貯槽ユニットには、緊急時にすぐに使用できるようにマイコンメーターやガス栓ユニットが標準装備されており、ワンタッチカップリングを使えばコンロや暖房機器などを簡単に接続することができます。また、バルク貯槽のサイズには300kg、500kg、1,000kgの3タイプがあり、平常時においても通常のバルク貯槽として、LPガス供給設備に接続して利用することができます。

ガス栓ユニットと消費機器との接続

バルク貯槽ユニットに備え付けられたガス栓にホースを接続し、消費機器と接続します。接続はワンタッチカップリング方式なのでどなたでも簡単に接続できます。

災害時対応ユニット「SGU-4」(I・T・O(株)製)

既設バルク供給設備に設置することにより、簡単に災害対応バルクにすることができます。シリンダー供給設備にも対応可能です。

移動式災害時対応ユニット「ISU-4」(I・T・O(株)製)

LPガス容器と供給設備を自立化し、トラック等に積載してどこにでも持ち運ぶことができます。

災害時に役立つLPガス機器

災害対応バルクには、コンロや炊飯器、発電機などの災害時に必要なガス機器を接続してすぐに使用することができます。燃焼・給湯・発電照明など、災害時に必要な機器をセットにしたものも市販されています。

コンロ

災害用煮炊き釜

大型炊飯器(圧電点火方式)

ガスストーブ(連続点火式)

発電機

発電機

燃焼器ユニット(矢崎エナジーシステム製)

「暖かいものを食べたい」という避難時のニーズは、過去の災害でも上位にランクされています。燃焼器ユニットがあれば、そのニーズに対応できます。

炊き出しテントで必要となる機能を装備したユニット。コンロ、ストーブに加えて、濾水器もセット。食事の調理、配膳から、ストーブを囲んだ飲食場所の整備まで可能になります。

※濾水器からの水は、そのままでは飲料水としてはご利用いただけません。

給湯ユニット(矢崎エナジーシステム製)

「お風呂に入りたい」というニーズも、避難所では常にトップランク。給湯ユニットはこのニーズに加え、調理でのニーズにも対応できます。

給湯器と自動ポンプ、送水用ホースまでセットアップしたユニット。シャワーやお風呂での利用はもちろん、お湯だけでできる「アルファ米」などの調理にも役立てることができます。

発電・照明ユニット(矢崎エナジーシステム製)

被災後、夜間の暗さは大きな不安要素となります。加えて、携帯電話などの充電など、電気を必要とする課題は多く、それらへの対応も可能となります。

LPガス発電機と照明器具などをセットアップしたユニット。夜間での照明の確保をはじめとして、電気が必要な様々な機器を利用することが可能となります。

また、業務用・産業用における非常時の電力供給用発電機として、以下の製品がラインナップされています。

LPガス非常用発電機「LEG POWER(レグ・パワー)」
(岩谷産業、デンヨー)

出力:34kVA、12kVA(三相機)
20kVA、9.9kVA(単相機)

高度災害対策用バルクユニット「JSS-GE」
(富士工器)

出力:10kVA

防災用LPガスエンジン発電機「3kVA」(関電工)

出力:3.0kVA(単相2線)

■ 全自動定置型
■ 72時間以上の長時間連続稼働
既に自家発が導入されているお客さまでも、72時間以上の長時間稼働が可能なプラス・ワン発電機としてご活用下さい。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

GENERAC LPガス発電機(株式会社シーエープラント)

9kW~170kW(60Hz)と8kVA~170kVA(50Hz)の全44機種の豊富なラインナップにより、お客様のニーズに合わせた過不足ない提案が可能です。

防災向けプロパンガス発電機「EU9i GP」(矢崎エナジーシステム株式会社・Honda)

現在お使いいただいている家庭用プロパンガス容器に接続して使用することができる発電機です。50㎏容器で約100時間の発電が可能、専用ガス供給ボックスにより接続も簡単です。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

MGC2200G(三菱重工メイキエンジン)

高出力2.2kVAにより、さまざまな用途に対応。10㎏容器に接続すれば最大出力で約10時間使用することができます。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

ハイブリッド型発電機(東西商事株式会社)

一般的なガス機器を使用して家庭用プロパンガス容器に接続できるハイブリッド型の発電機です。
容量も3.5kva、7.0kva(単相、三相)モデルを取り揃えております。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

非常用ハイブリッド発電機「エネブリッド」(アドテック株式会社)

見た目はコンパクトなのに高出力。
LPガスとガソリン、2種類の燃料が使用できるハイブリッド発電機です。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

ハイブリット非常用小型発電機「ELEON」(株式会社エレオ)

LPガスとガソリンが使用できるハイブリッド型で、300時間連続運転が可能。
3.7kVA~9.9kVA、単相100V・200V、三相200V出力が可能なモデルがあります。
60Aコンセント搭載モデルは居宅・事業所のBCP対策には最適です。

詳細についてはメーカーのサイトをご覧ください。

炊き出しセット「炊き出しステーション」(岩谷産業)

同時に50~120人分のご飯と汁物の調理が可能な業務用仕様の炊き出しセット。
収納もコンパクトで保管にも便利です。

LPガス仕様 移動電源車(エア・ウォーター㈱)

トラックにLPガス容器と発電機を搭載し、災害時・停電時における非常用電源等として機動的に活用することが可能。発電容量別に9.8kW、50kW、100kWの3機種がラインナップ。

9.8kW 移動電源車
軽自動車タイプ

50kW級 移動電源車
発電ユニット搭載タイプ

100kW級 移動電源車
コンテナタイプ

災害初期対応用として十分な供給能力

災害発生時の初期対応において、外部からの救助・支援が期待できない発生直後の48時間(2日間)をいかにして乗り切るかが、最も重要な課題とされています。災害対応バルクの使用可能時間は、貯槽内のガス残存量及び消費機器のガス消費量に依存しますが、以下の前提で試算した場合、LPガスが貯槽内に約半分程度残っている状態で、約4日間程度の間LPガスを使用することが可能であり、災害時の初期対応に十分な供給能力を持っています。

燃焼機器の一日当たりのガス消費量

燃焼機器 ガス消費量
(kg/h)
1日当たりの
使用時間
(h)
台数 ガス消費量
(kg/日)
備考
ガスコンロ
(4重)
1.30 3 2 7.8 直径54cm以内の寸胴を2台同時に煮炊きが可能
ガス炊飯器
(5.5升炊き)
0.71 1 2 1.4 約70人分の米飯を賄うことが可能 ※1
ガスストーブ 0.42 24 5 50.4 約170m2相当を暖房可能(コンクリート造屋内使用時)
ガス発電機 0.50 24 1 12.0 定格出力0.85kVA
ガス給湯器
(16号・給湯)
2.10 3 1 6.3 シャワー使用
ガス給湯器
(16号・ふろ)
0.80 0.17 1 0.1 おふろ給湯(160ℓ)
合計 78.1

使用可能日数:
350kg÷78.1kg=4.5日 ※2

※1
一人当りの1日分の米消費量を3合(1合×3回)、炊飯回数を2回とした場合の試算値

※2
1,000kg型で内容量50%(500kg)→15%(150kg)まで使用した場合

高い耐震性

バルク貯槽、供給設備、車止め等を鉄製の基礎土台の上に設置固定することで、耐震性をさらに向上させました。平成23年3月11日に発生した東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県仙台市。当地に設置された災害バルクシステムも地震及び津波の被害を受けましたが、安全点検後すぐに利用されており、耐震性の高さを証明しました。

設置事例

災害対応バルクはこれまで、学校や福祉施設、公民館等、災害時に避難所となる場所に多く設置されています。今後、設置場所がさらに増加することによって、災害時における当該地域のエネルギー供給をより安定させることが可能です。

おもな設置先例

災害対応バルクの特長や導入事例を動画でご紹介しています。