「グッドタイムホーム5 山王公園」は株式会社創生事業団が運営する介護付き有料老人ホームで、博多駅からバスで10分ほどの場所にある。
全196室に約30人の看護・介護スタッフが常駐しており、入居者に直接対応するスタッフは延べ100人を超え、厨房・事務を含め合計約140人でサービスを提供している。在宅では介護が困難な入居者に、看護師を含むスタッフが24時間体制で対応し、全室個室で快適な環境を提供するとともに、各種講座やセミナー、教室・生涯学習・イベントなどを実施し、「生きがい」のある生活の提供を目指している。
更新したGHPエグゼアU
平成16年に設立した施設は、当初からLPガスを利用し、空調にはLPガス仕様のGHPを採用していた。しかし、設立から10年以上経過し、設置したGHPは経年劣化による故障が発生するようになっていた。メンテナンス契約を結んでいたものの、度重なる故障で対応が追いつかない状況となっていた。さらに、昨冬シーズンには夜中に一部のGHPが停止し、やむなく電気ストーブを複数台使用する事態も発生していた。
こうした状況を受け、既存GHPの利用を断念し、空調設備の更新を決断した。平成28年4月にアイシン精機製GHPエグゼアUを導入した。
一新した設備は、GHPエグゼアU「まとマルチタイプリニューアル対応機」20馬力4台と25馬力2台の計6台の室外機と、室内機は「ラウンドフロータイプ」26台、「ダブルフロータイプ」24台、「シングルフロータイプ」11台、「天井埋込ダクトタイプ」4台の計65台。
洞寛二部長は「当施設にとって空調設備更新は大きな投資だったが、昨冬のトラブルに既存設備の限界を感じた。多くの入居者に快適な環境を提供するため、暑くなり始める5月のゴールデンウィーク前に工事を終える日程で導入計画を進めた」と振り返った。
施設では、年間を通して空調を使用しない日はほとんどなく、空調設備の省エネ化は大きな課題となっていた。高効率GHPエグゼアUに更新したことで、年間を通して継続的に空調を使用する施設の省エネ化に大きな効果を発揮した。
洞部長は「導入から数カ月のガス使用量を見て、省エネ性能の高さに驚いた」と語り、「当初は故障を減らし入居者の生活環境を安定させるのが目的だったが、実際のランニングコストを見ると、最大で前年同月の使用量から半減していた」とGHPエグゼアUの更新メリットに満足していた。
また、設備導入による省エネ化は、GHPの性能によるものだけではなかった。
事務所内に設置した集中管理コントローラーで一括管理が可能となった。施設内には各種講座やイベントを開くための共有フロアが多数あるため、細かな温度調節や、使用しない時の空調停止作業がスタッフの負担になっていた。集中制御による一括管理で無駄なエネルギー消費を防ぎ、業務の効率化にも役立っている。
洞部長は「入居者には要介護の方々も多く、中には自分から意思を伝えられない方もいるため、季節に合わせて心地よい空間づくりを心掛けている。集中管理コントローラーで入居者に快適な生活が提供でき、スタッフの負担も軽減することができた。設備を更新して正解だったと考えている」と話した。
※「プロパン・ブタンニュース」(平成29年1月1日付)掲載記事を再編集した。
施設の概要
■「グッドタイムホーム5 山王公園」
運 営:株式会社創生事業団
施設類型:指定特定施設入居者生活介護、指定介護予防特定施設入居者生活介護
管理者:洞 寛二
開設日:平成16年7月1日
所在地:福岡県福岡市博多区山王1-11-26
TEL:092-436-9900
施設概要:鉄筋コンクリート造10階建て、全196室