茨城県守谷市は茨城県の南西端、東京都心から40キロメートルの距離に位置し、鉄道は秋葉原駅とつくば駅を結ぶつくばエクスプレス、取手駅と下館駅を結ぶ関東鉄道常総線が通っており、多くの人々に利用されている。
「住みよさランキング2008年」(東洋経済新報社)、及び「シティブランド・ランキング−住みよい街2017−」(日経BP総合研究所)では全国1位に選ばれており、また同ランキング「シティブランド・ランキング−住みよい街2022−」でも守谷市が全国10位に選ばれた。
この度、同市では、平時及び災害時の熱中症対策及び災害時避難所の環境改善のため、小学校3校、中学校3校の体育館にLPガスGHP(ガスヒートポンプエアコン)設備を設置した。
大野小学校 体育館
守谷市 松丸市長は導入のきっかけを次のように語る。
「当市では、以前より学校教室の空調は導入していましたが、とくに令和元年台風15号による千葉県を中心とした停電被害をみて、避難所指定の体育館にも空調が必要だと考えました。守谷市は利根川、鬼怒川、小貝川の3本の河川に囲まれておりますが、多くの住宅は海抜20メートルの高台に構えられているので、当市においては、自然災害は台風と地震、またそれに伴う停電が最大の脅威と考えております。」
LPガスは災害に強いというイメージがあり、停電時に自立発電する機能を備えたLPガスGHPを選択した。またLPガスの安定供給が確保されたLPガス災害バルクの導入補助金を活用できることも決め手となった。
導入して数か月、卒業式や入学式に暖房を使用したところ、好評を受けているという。また夏場における熱中症対策として利用していく予定である。備えない防災「フェーズフリー」という概念を用い、平時から使用する空調の重要性を意識している。
同市は、近隣市町村(取手市、つくばみらい市等)との相互応援協定に基づき、災害時には避難所を開設し近隣住民の受入も行っているため、今回の導入で、避難所としても環境改善を行うことができた。
同市では、引き続き避難所となる公立小・中学校体育館の空調設備・非常用電源設備の設置工事を実施し、環境の改善を図る方針である。
松丸市長は取材の際に次のように語った。
「当市では、「地域主導・住民主導のまちづくり」を実現するため、「まちづくり協議会」を設立しています。地域防災についても、地域の皆様と共同して課題に対応し、将来にわたり活力ある地域社会を形成していきたいと考えています。」
(2023年5月17日取材)